ゲストはアンドレア・マクラーキン・メリニ
2014年にソロのゴスペル・アーティストとしてデビュー。デビューアルバムに収められている「God
Can」は、ビルボードのゴスペルヒットチャートで13位となりました。しかし、彼女はそれ以前から全米で最も有名なバックコーラスシンガーの一人でした。その理由はアメリカのトップ・ゴスペルアーティストであるドニー・マクラーキンさんのお抱えシンガーとして長年活躍しているからです。ドニーさんはインタビューでアンドレアのことを聞かれると、常に「彼女は私の妹としてだけでなく、世界中で一番愛すべきソプラノです」と答えてます。アンドレアさんは一流のボーカルテクニックとセンスを持ち合わせた貴重なボーカリストで、ドニーさんはレコーディングやコンサートツアーには必ずアンドレアさんを起用しています。日本にもドニーさんのツアーで来日していますが、ソロ・アーティストとしては初来日となります。
今回、アンドレアさんがオレンジゴスペルのために一人で来日を決めたのには理由があります。それは彼女自身がティーンエイジャーの母親であり、家庭内DVの被害者だった過去があるからです。兄のドニーさんがソロ・アーティストとして有名になった2002年に「永遠の被害者・永遠の勝利者」という自伝を出版しました。そこには家庭内でネグレクトや性的な虐待があり、そこから救いだされたDV被害者としてのストーリーが書かれていました。妹であるアンドレアも虐待被害者として最近になるまで自分に自信が持てなかったことを自身のフェイスブックで示しています。
オレンジゴスペルへの参加は、単にゴスペル・アーティストだからということではありません。虐待を乗り越えた一人の人間として力になれるのではという思いからです。3人の子どもの母として、牧師の妻として、ゴスペルアーティストとして、彼女の生き方は日本でも多くの方を勇気と希望に導くのではないでしょうか?
文:打木希瑶子
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